映画『ザ・シークレットマン』は、全米を震撼させた「ウォーターゲート事件」をFBI副長官の視点から描いたサスペンス作品です。
主演を務めたリーアム・ニーソンさんは、特殊部隊や殺し屋などアクション要素の強いキャラクターをかず多く演じてきたことで知られています。
今回はFBI副長官というキャラクターを担っており、普段のド派手なアクションは封印されているものの、渋みのある演技で緊迫感を煽ります。
本記事では、映画『ザ・シークレットマン』のネタバレを含むあらすじを作品概要・キャスト・実際の事件の内容・魅力とともにお伝えします。
最後には、映画『ザ・シークレットマン』を無料視聴する方法も解説しているので、ぜひご覧ください。
映画『ザ・シークレットマン』の作品概要
原題 | Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House |
監督 | ピーター・ランデズマン |
原作者 | マーク・フェルト ジョン・オコナー |
配給 | クロックワークス |
上映時間 | 107分 |
ピータ・ランデズマン監督は、『コンカッション』『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』『イモータル・ライフ・オブ・ヘンリエッタ・ラックス』など実話を元にした長編映画を数多く生み出しています。
過去の出来事や歴史的な事件について、ドラマティックな演出を含めて知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
映画『ザ・シークレットマン』のキャスト
映画『ザ・シークレットマン』のキャストは、以下の通りです。
登場人物 | キャスト |
---|---|
マーク・フェルト | リーアム・ニーソン |
オードリー・フェルト | ダイアン・レイン |
L・パトリック・グレイ | マートン・ソーカス |
アンジェロ・ラノ | アイクバリンホルツ |
エド・ミラー | トニー・ゴールドウィン |
サンディ・スミス | ブルース・グリーンウッド |
ジョン・ディーン | マイケル・C・ホール |
ロバート・カンケル | ブライアン・ダーシー・ジェームズ |
チャーリー・ベイツ | ジョシュ・ルーカス |
CIAの男 | エディ・マーサン |
キャロル・ツシューディ | ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ |
ジョアン・フェルト | マイカ・モンロー |
主演を務めたリーアム・ニーソンさんは、『バッドマン ビギンズ』『96時間』『フライト・ゲーム』『沈黙-サイレンス-』などに出演しています。
クリストファー・ノーラン監督やマーティン・スコセッシ監督などハリウッドの巨匠と呼ばれる人たちとも仕事をしているベテラン俳優です。
映画『ザ・シークレットマン』のあらすじ
ここからは、映画『ザ・シークレットマン』のあらすじをネタバレ込みで解説します。
未見の方は、お気をつけてください。
映画『ザ・シークレットマン』のあらすじ:FIBの危機
主人公のマーク・フェルトは、FBI長官であるジョン・エドガー・フーバーのもとで副長官として真の正義のために仕事をしています。
30年間のキャリアを経て、周りから揺るぎない信頼を獲得していたマークは、些細なゴシップネタすらも逃さないため、ホワイトハウスからも恐れられる存在でした。
そんなある日、フーバー長官が脳卒中で突然死してしまいます。
ニクソン大統領の側近かつ司法次官のL・パトリック・グレイは、フーバー長官が裏で集めていたであろう極秘情報をホワイトハウスに引き渡すようマークに要求します。
グレイの動きをいち早く予測していたマークは、フーバー長官の訃報を聞いて真っ先に機密書類を処分していました。
フーバー長官の代理は、副長官のマークが任命されると思いきや、ホワイトハウスと親密な関係を持つ司法省のグレイが選出。
マークの妻であるオードリー・フェルトは、マークの不満げな様子を見て退職すれば良いと提案しますが、FBIへの忠誠心からその提案を断ります。
娘のジョアン・フェルトは家出をして8年経っており、今でもオードリーはアメリカ中の同姓同名の相手に手紙を書き続けていました。
家族がすれ違いつつある状況は、マークが家庭よりもFBIを優先することが多かった過去が強く影響しているのです。
その晩、FBIの電話で目を覚ましたマークは、ウォーターゲートビルの民主党本部に侵入し、盗聴器を仕掛けようとした5人の男が侵入したと聞かされます。
現場に向かうと、5人は元々CIAに所属しており、そのうちの1人はFBIであったことから、事件の首謀者が裏にいることを感じ取るのでした。
映画『ザ・シークレットマン』のあらすじ:ホワイトハウスの策略
ただの侵入事件ではないと判断したマークは、国家にも忖度をしない独立機関であるFBIの特権を駆使して、直ちにウォーターゲート事件の捜査を開始。
しかし、グレイからはホワイトハウスCIAへの聞き取り調査は事前に許可をとること、タイムリミットは48時間と命じられます。
マークは、グレイのオフィスにニクソン大統領の法律顧問であるジョン・ディーンが出入りしていることから、侵入事件とホワイトハウスに関連性があると確信するのでした。
ホワイトハウスが侵入事件を隠蔽しようとしているため、マークはワシントン・ポスト紙に、犯人にはFIBやCIAが含まれていること、捜査に圧力がかかっていることを密告。
翌日出版された記事を見て、ディーンは「機密情報を記者に漏らしたのか?」とマークに詰め寄りますが、「ホワイトハウスやニクソン大統領も捜査対象になるんだ」と一蹴。
さらにグレイからも手を引くように迫られますが、ホワイトハウスと一部のFBIが繋がっている事態を深刻に受け止め、全員が起訴されるべきだと心に決めます。
その頃、ニクソン大統領は選挙を控えており、ウォーターゲート事件とホワイトハウスが無関係であることを主張するための火消しに動き始めていました。
映画『ザ・シークレットマン』のあらすじ:マークの反撃
さらにマークへの圧力が激しくなる中、グレイはメディアに対してウォーターゲート事件は解決したと発表し、世間からの注目も薄まります。
さらに、ニクソン大統領の競走馬であるはずの民主党の政治家たちが「FBIの捜査は形式的なものでしかなく、意味がない」と発言。
この発言に対して怒りに火がついたマークは、FBIのメンバーを鼓舞して捜査を継続し、処分した機密情報からウォーターゲート事件に関与していることを知っている人をワシントン・ポスト誌に密告します。
さらにポスト誌の記者であるボブ・ウッドワードと密会をして、ニクソン大統領が隠蔽しようとしている真実の悍ましさを訴え、ウッドワードは匿名の密告者を「ディープ・スロート」の通称で呼んでいることを話します。
ウッドワードは、ニクソン大統領とウォーターゲート事件の関連性、FBI捜査の妨害に関する記事を発表。
グレイはFBIの中に潜んでいる内通者に怒りを示しますが、記事への関心が弱く、ニクソン大統領は再選してしまうのでした。
計画がうまくいかなかったマークは、浴びるように酒を飲み落ち込みます。
オードリーは、娘のジョアンが亡くなっているのでは?と諦めかけていたものの、どうやら手紙から手がかりをつかんだ様子。
マークはグレイに盗聴されているかもしれないと危惧しますが、真相に辿り着くまでは捜査をやめないと固く決めていました。
映画『ザ・シークレットマン』のあらすじ:ウォーターゲート事件の終末
マークはグレイの頭頂を逆手に取り、全てを記録した上で、ポスト・タイムズに情報を提出します。
議会の公聴会に呼ばれたグレイは、タイム誌の情報が真実であるかどうかを上院議会から質問され、ウォーターゲート事件の文書をディーンに渡したこと、全てはニクソン大統領の指示であったことを認めます。
この証言により、ニクソン大統領は辞任を発表。
その頃、マークはウォーターゲート事件と同時進行に行なっていたアメリカの極左テロ組織のウェザー・アンダー・グラウンドの捜査の中でジョアンの居場所を見つけます。
草原で子どもたちと過ごしているジョアンと再会するオードリーとマークは、幼少期を振り返るように過去を回想します。
そして、30年間何よりも最優先にしてきたFBIをやめることを決意したマークは、周りから惜しまれながら家族の元へ帰るのでした。
それから4年の月日を経て、マークは一般市民に対する違法行為の疑惑が浮上し公聴会に呼ばれます。
FBI捜査のために独断で違法行為をしたことを認めた上、自分がディープ・スロートであることを匂わせる発言をします。
上院議会から「あなたはディープ・スロートか?」と質問されると、沈黙してまっすぐ前を向くマークが映し出されて物語は幕を閉じるのでした。
エンドロールでは、マークが違法行為に対する実刑を受けたこと、オードリーの自殺、レーガン大統領の時代に名誉が回復されたこと、亡くなる直前に自分がディープ・スロートだと認めたことが語られます。
映画『ザ・シークレットマン』の事件内容
ウォーターゲート事件は、1972年6月17日にアメリカで起きた事件です。
同日、アメリカのウォーターゲートビルに入っていた民主党本部に5人の男が侵入したところを警備員が見つけて逮捕します。
逮捕された5人の男たちが盗聴器を所持していたため、FBIも捜査に関与することになったのです。
結論からお伝えすると、この5人は当時の大統領であるリチャード・ニクソンが選挙で再選するために送り込まれた関係者でした。
さらに、5人の男たちは元FBI・元CIAの経歴を持っており、本来は国家にも忖度しない独立組織であるはずのFBIの存在が危ぶまれる事件でもありました。
映画『ザ・シークレットマン』でも語られていたようにFBI副長官のマーク・フェルトを筆頭に当時のFBIたちの捜査とワシントン・ポストへの密告によるメディア追及によって事件の真相が明るみとなります。
ワシントン・ポストが最初に発表した記事では、1972年11月のニクソン大統領の再選を阻止することができなかったものの、さらに謎の密告者であるディープ・スロートの情報から記事を出し続けることで辞任へと追い込みました。
これらのメディア追及に対して、ニクソン大統領は執務室に残された録音記録などを提出しますが、一部が削除されていたり疑念が多く、無実を証明することはできませんでした。
1974年8月、ニクソン大統領はアメリカ国内で初めて現職大統領を辞任することになったのです。
1976年公開の映画『大統領の陰謀』
映画『ザ・シークレットマン』よりも前に、ウォーターゲート事件に関連する長編映画は制作されていました。
それが1976年に公開された映画『大統領の陰謀』です。
映画『大統領の陰謀』では、ワシントン・ポスト誌の記者視点で映画が制作されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
政治スキャンダルとして現代でも注目されている
ウォーターゲート事件は、当時のアメリカを震撼させただけではなく、現代の政治でも度々話題になることがあります。
2016年、共和党所属のドナルド・トランプが大統領選挙を制した際には、ロシア政府が選挙工作に関与したのではないかと疑惑が浮上しました。
トランプ元大統領の疑惑は、ウォーターゲート事件になぞって「ロシアゲート事件」とも呼ばれていたようです。
ただし、ウォーターゲート事件のように工作した事実があったとは証明されておらず、一種の陰謀論ような形で議論されています。
映画『ザ・シークレットマン』を無料視聴する方法
映画『ザ ・シークレットマン』の配信状況をリサーチした結果は、以下の通りです。
サービス名 | 映画『ザ・シークレットマン』の配信状況 |
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U-NEXT | ◎ |
Netflix | × |
Amazonプライムビデオ | △ |
Hulu | × |
FODプレミアム | △ |
Rakuten TV | △ |
クランクイン!ビデオ | × |
DMM TV | △ |
Lemino | ◎ |
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まとめ
本記事では、映画『ザ・シークレットマン』のネタバレありのあらすじをまとめました。
実際に起きたウォーターゲート事件では、大統領の不祥事をめぐって司法省とFBIの対立が激化していたものの、誰がワシントン・ポストに情報を提供していたのか明確にわかっていませんでした。
長年闇に葬られていた謎の人物であるディープ・スロートの正体が当時のFBI副長官であったと分かると、さらにマーク・フェルトの正義とFBIへの忠誠心が揺るぎないものであったことが伺えます。
映画『ザ・シークレットマン』はFBI副長官の視点でウォーターゲート事件が描かれていますが、映画『大統領の陰謀』ではワシントン・ポスト誌の記者視点で描かれています。
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